シース熱電対

 シース熱電対は極細の耐熱金属保護管内に安定したセラミックを高圧充填した特殊熱電対で、次のような秀れた特徴を有しています。

(1)外径が非常に細く柔軟性に富み、半径がシース外径の3倍の円にまで容易に曲げる事が出来、且、断線のおそれは全くありません。

(2)機密度が極めて高く、金属ガスや雰囲気ガスによる熱電対線への浸蝕を防ぐため寿命が長く、高温、高圧(350s/p)に耐えます。

(3)温度変化に対する応答が速い。


 
 標準シース熱電対の種類

シース外径
(D)
素線
シース材質
素線径
素線の標準抵抗値
2対式の素線径
シース厚
最大長
(非接地型)
0.25m/m
K
SUS−316

SUS−301S

インコネル
(NCF600)
0.05m/m
550 Ω/m
0.01m/m
2m
0.5m/m
K
0.1m/m
140 Ω/m
0.07m/m
12m
0.65m/m
K
0.13m/m
  81 Ω/m
0.1m/m
10m
1.0m/m
K
0.2m/m
31.81 Ω/m
0.15m/m
25m
J
19.43 Ω/m
T
16.15 Ω/m
1.6m/m
R,PR13%-Pt
0.2m/m
0.2m/m
30m
K
0.32m/m
12.44 Ω/m
J
7.59 Ω/m
T
6.32 Ω/m
2.3m/m
K
0.4m/m
8.83 Ω/m
0.28m/m
0.3m/m
30m
3.2m/m
R,PR13%-Pt
0.5m/m
1.54 Ω/m
0.30m/m
0.4m/m
165m
K
0.53m/m
4.54 Ω/m
J
2.77 Ω/m
T
2.31 Ω/m
4.8m/m
R,PR13%-Pt
0.5m/m
1.54 Ω/m
0.53m/m
0.5m/m
85m
K
0.77m/m
2.15 Ω/m
2.57 Ω/m
J
1.31 Ω/m
T
1.09 Ω/m
6.4m/m
K
1.14m/m
0.98 Ω/m
0.76m/m
0.6m/m
47m
1.17 Ω/m
J
0.60 Ω/m
T
0.49 Ω/m
8.0m/m
K
1.3m/m
0.75 Ω/m
0.96m/m
0.7m/m
30m
0.90 Ω/m
J
0.46 Ω/m
T
0.38 Ω/m

その他、シース外径:シングルエレメント(1.5φ・20φ.・3.0φ・4.5φ・6.0φ)、ダブルエレメント(3.0φ・4.5φ・6.0φ)及び特殊熱電対も取扱っております。

標準品の熱起電力値はR・K・E・T・JのJIS規格に準じて居ります。
0.25φ、0.5φ、0.65φの素線抵抗値は参考抵抗値です。


 
 標準シース熱電対の種類

接地型 ( I ) ( G )
非接地(絶縁)型 ( II ) ( U )
露出型 ( III ) ( E )



応答は早いが、危険な場所や雑音電圧のある場所は不可。
経時変化が少なく、雑音電圧、危険場所でも安全です。
応答は最も早いが、腐食雰囲気では経時変化は激しい。


 
 標準シース熱電対の種類

 A型

エレメントむき出し防湿シール
 K型

多対式で1ツの端子箱で複数の熱電対の接続が可能。
 B型

シースと補償導線をスリープ(SuS-304)接続、エポキシ系樹脂で充填
 DM型

密閉型端子箱を取付たもの、屋内外用。
 BF型

B型使用に補償導線強用フレキシブルチューブ(SuS-304)を装着したもの。
 E型

フェノール樹脂コネクターを取付たもの
 BH型

スリープ部にベークの取っ手を取付た携帯用使用
 F型

シースと補償導線をコネクターで接続したもの。
シースと補償導線の着脱ができる。
 C型

開放型端子箱を取付たもの、屋内用
※C型・K型にはシースの外径に合せて大型・小型の2種類があります。


 
 シース熱電対取付部品

 コンプレッションフィッティング
取付寸法位置が任意に設定できるが炉内圧がある場合は注意を要す
 バヨネットキャプK型

バヨネットキャップ及びスプリングを取付て圧接式にしたもの
 固定ニップル
挿入寸法が予め決まっている場合、および炉内圧がある場合に適す
 先端パッド取付


表面温度測定用
 摺動ニップル
熱電対を回転させずに取付可能、ただし炉内圧がある場合は注意を要す
 スプリング式摺動ニップル

スプリング圧着式


 
 シース材質、素線種類、シース外径による使用限界温度

  シース外径(m/m)
シース材質
1.0
1.6
3.2
4.8
6.4
8.0
K
 AISI―316
500℃
800℃
800℃
900℃
900℃
900℃
 AISI―310
500℃
800℃
900℃
1000℃
1000℃
1150℃
 インコネル
500℃
800℃
900℃
1100℃
1100℃
1150℃
E
 AISI―316
400℃
450℃
500℃
600℃
600℃
650℃
J
 AISI―316
400℃
400℃
450℃
600℃
600℃
600℃
T
 AISI―316
300℃
300℃
350℃
350℃
350℃
350℃


 
 検査規格

■起電力検査

  ロッド試験
定点法により較正した標準熱電対との比較試験を行なう。
顧客より特別の指示なき製品についてはロッド試験時の値を適用します。
但し熱電対の常用限度をこえ試験することはない。

■絶縁抵抗検査 (JIS C1605―1982による)

  シース外径1.0φ、1.6φ 100VDCメガーにより5MΩ以上
シース外径3.2φ 250VDCメガーにより5MΩ以上
シース外径4.8φ〜8φ 500VDCメガーにより5MΩ以上